業務改善におけるゼロ思考の重要性

業務削減効果アピールあるある

突然ですが、以下のようなチャート、よく見かけませんか。
というか業務改善を謳う資料には、ほぼ間違いなくこのテイストのチャートは存在すると思います。

今回は、このチャートの問題について語りたいと思います。

Factベースで語りたい病


Factベース=事実で語ることは大事だ、というのはもはや現代のビジネスマナーといえます。

業務改善も、できたできたではなく、数字で表そうよ、ということで上述のようなチャートは作られるのかと想像します。
ですが、本当にこのチャート説得力ありますか?
もう見飽きたこともありますが、なんとなくですが「どうせ事実ではないでしょ」と一瞬思ったりしませんか。

上のチャートは論外な部分があって、何の比較なのかが明記されていないのですが、
一般的に業務改善といえば、以下のような指標に収斂されると思います。

・業務に関わる時間の改善(削減)、か
・処理すべき件数の改善(削減)、か
・それとも一件あたりの処理時間の向上か

業務改善における数値データ

一件あたり処理時間は事実か

・あくまで平均値であるため、サンプル数や範囲に依存する


例えば、上述のグラフが経理の月末締めの処理の話だとして、厳密に、業務削減効果を表現するなら、以下の4番まで表現してやっとなんとなく説得力が増します。

  1. 「先月は1000件の月末処理があったが削減した」
  2. 「先月は1000件の月末処理があって、通常の月より件数が削減した」
  3. 「先月は1000件の月末処理があって、昨年の同じ月より業務時間を削減した」 
  4. 「先月は1000件の月末処理があった。昨年同月と処理時間に劇的な変化はないと仮定すると作業時間が削減された」

ですが、ここまで表現していると冗長すぎますよね。

業務工数の削減効果にはいちゃもんがつけられがち

ぽ〜さんは、これは、実は業務改善プロジェクトにおける重要なセンスの一つだと思います。

結局、単なる減少では、完全なる説得力を持つ改善効果のアピールはなかなかに難しいのです。

結果として、「どうもこの数字はFactのようだが、経営者には刺さらない」ということが起き得てしまいます。

じゃあどうするのか。
やはり、まず目指すべきは「ゼロ化」です。減少ではなく、無くす。やめる。ゼロにする。
ゼロになったものは、単位時間の議論はもう存在しません、なぜならやることがなくなったのですから。
ですので単純に総時間がまるっと効果になります。

ゼロの発想

当たり前のことのようですが、ゼロへところんこだわることはは極めて大事です。

特に、ツールやシステム導入の際に「徹底的に人が関わるプロセスはゼロにする」意識は大事です。
RPAの導入の際に「最後は人のチェックをいれてボタンを押す一工程」を残したりしてませんか。

このように人の介在が一箇所残っただけで、
その工程の作業時間に関係なく、待ちが生じたりしてそのRPAの導入効果は完全性を失います。

※意外なことですが、RPAを導入するのがシステム部門主動の場合、
「最後は人でボタンを押す」
をシステム部門の責任逃れのために残すことがあるそうです。なんてことだ。

業務改善においては、比較で何%下がるではなく、「ゼロ」の発想、これが大事です。



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