コカ・コーラ ボトラーズとアクセンチュアの画期的な提携
2023年8月9日
コカ・コーラ ボトラーズジャパンとアクセンチュアが合弁会社を設立し、
バックオフィス業務の効率化とデータドリブン経営の推進を発表しました。
このニュースからぽ〜さんが感じたことをお話しします。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000388.000019290.html PR TIMES
BPOの歴史
BPOは、1980年代後半から1990年代初頭にかけて製造業の工場海外移転として始まりました。
その後、非中核業務の外部委託という意味合いに変化し、多くの企業が取り組んでいます。
今回の提携は、数百人規模で合弁会社を設立し、
かつそこに外部のコンサル会社が出資するという点で非常に特色的です。
アクセンチュアの戦略
アクセンチュアの目的は、非中核業務の受託だけでなく、
自販機という販売チャネルから得られるビッグデータとその活用のノウハウを蓄積することにあると見られます。
データの世界では「とにかく多くの有用なデータを蓄積したものが勝つ」のが鉄則です。
なんといってもコカ・コーラのチャネル規模は日本一ですから。
移管の対象となる業務
提携における興味深い視点は、移管の対象となる業務です。
記事には
①財務・経理、人事・労務などの一般管理・事務処理の受託
②コンピュータ関連の開発・運用・保守管理など
の提供と記載されています。
①がバックオフィス(管理部門)業務、
②はヘルプデスク業務 ですね。
特に注目すべきは、①のバックオフィス業務におけるSaaS化率合との関係性です。
ホリゾンタルSaaSの動向との関係性
以下の表は業種によらない業務(職種)単位ののSaaSを
ホリゾンタルSaasと定義し、そのカオスマップを作成しているone capitalさんの資料です。
出典 https://onecapital.jp/perspectives/horizontal-landscape-2022
この中のカテゴリ(職種)別のプロダクト数をみると
HR = 人事労務 Accouting / Finance (財務経理)が上位にきています。
一方、Legal(法務)は相対的には低い順位ですね。
アクセンチュアが業務遂行にどのようなサービスを使うかは不明ですが、
移管対象業務と、ホリゾンタルSaaSの伸びている業務にはある程度関係性がありそうです。
その中、ITに長けたアクセンチュアのようなコンサルタント会社が、
労働力だけを提供する旧来型のアウトソーシングビジネスに比べて優位性を持つのも自然なことかもしれません。
示唆
管理業務の多くは、コモディティ化(誰でもできる、システムでできる)業務になっています。
その流れは否定ではなく歓迎すべきことです。
本当に効率化を目指すなら、「もうその仕事は自社で持たない」ことを踏まえた
システム検討が必要な時代に入っていると言えるでしょう。