AdobeのおかげでDXが出来てます
Adobeの共同創設者であるジョン・ワーノック博士
Adobeの共同創設者であるジョン・ワーノック博士の訃報が届きました。
享年82歳。
彼の業績は、私たちのデジタル世界に多大な影響を与えました。
天国で共同創業者のチャールズ・M・ゲシキ博士と再会されたことでしょう。
心よりご冥福をお祈りいたします。
Adobeのマルチメディア製品は、私たちの日常生活に深く浸透しています。
特にPDFの発明は、ハードウェアやOSの障壁を超えて、
文章をその体裁を崩すことなく共有する画期的な手段となりました。
未だにWordは、MacとWindowsの障壁すら完璧に超えていないのですから、PDFの重要性は計り知れません。
PDL:ページ記述言語とAdobeの革新
Adobeの革新の根底には、ページ記述言語(PDL)の開発があります。
Adobeは、PostScriptというPDLから始まり、Apple創業者であるスティーブ・ジョブスからの出資も受けて成長しました。
ページスクリプト言語とは何か?
PDLは、プリンタ業界の発展に伴い、「異なるプリンタであっても同じ出力を行うこと」を目的として開発された言語です。
それ以前は、プリンタへの印刷の指示は、プリンタメーカごとに異なっていました。
この言語の最大の発明は、「パス」の概念でした。
パスとは、曲線を定義し、その内側を塗り潰すことにより図形を作画するものです。
文字も同様に、文字の輪郭線をパスと見なして塗り潰します。
このパスの概念は、仏ルノーの科学者による考案で、PDLだけでなくCAD記述にも利用され、現在の産業の礎となっています。
https://senmon.ochabi.ac.jp/2016/03/5980/
ビジネスへの応用:パスの概念
この技術的な解説から一歩引いて、ビジネスの世界での応用を考えると、パスの概念は「業務におけるAIの活用」と非常に似ています。
パスのA点とB点を規定すれば、曲線が描かれる。文字すら描けるようになります。
これからの業務は、「自分で線を書く必要がなくなっていく」のではないでしょうか。
例えば、起点:請求書を取引先から受領する業務、終点:支払を行う。
このような概念は、UiPathにより「セマンティックオートメーション」という造語で語られていますが、
考え方としては、パスの概念に非常に近しいものです。
現場が主役の日本方DC RPAxAIをスマホのように使いこなそう より抜粋
結論
Adobe創業者の訃報から、
ベジュ曲線のように業務を「反復可能な数式化すること」ことにより自動化できる可能性を考えてみました。
業務における始点と終点を見つけることは容易ではありませんが、
言語化した概念として、「業務をパス化してみる」というセンスが非常に今後重要になると考えています。
ジョン・ワーノック博士の業績は、単なる技術の範囲を超え、私たちの業務のあり方にまで影響を与えています。
彼の遺産は、これからも私たちの未来を形作っていくでしょう。